キックボクシングは全身を使った運動なので、非常に汗をかきやすいです。そのため、トレーニング中もしっかり水分を摂取することが非常に重要です。しかし、水分であればなんでもいいというわけではありません。
今回はキックボクシングのトレーニング中に適した飲みものについてご紹介いたします。
運動時の水分補給はなぜ大切？
水分は身体にとって重要な役割を担う大切な存在です。運動時は、筋肉を動かすことで作られた熱を外へ逃がすために汗をかきますが、このとき失われた水分はすみやかに補給しなければなりません。もし水分を正しく補給できなかった場合、さまざまな健康障害を引き起こす可能性があり、命にかかわる場合もあるため、注意が必要です。また、水分補給は身体のコンディションも整えることにもつながるため、積極的に行っていきましょう。
水分不足は脱水症状に陥りやすい
多くの人が陥りやすく注意すべきなのが脱水症状です。脱水症状の主な原因は水分不足であり、運動時に汗で流れ出た身体の水分を適切に補えないことによって起こります。症状が進むと持久力や瞬発力が低下し、命を落とす可能性もある危険な健康障害です。
過剰摂取もよくない
水分を摂らなければならないからと言って、必要以上に摂取するのもよくありません。もし過剰に水分を摂取すると血中のナトリウム濃度が低下し、「低ナトリウム血症」（水毒症）を発症する恐れがあります。低ナトリウム血症は吐き気や嘔吐といった症状をまねくだけでなく、命にかかわることもあるため、十分な注意が必要です。
適切な水分量とは
水分は運動後の体重減少が2％以内に収まるように補給しましょう。この数字は身体に必要な水分量の目安となるものです。2％を超えてしまうと、熱中症による意識障害や身体温調節機能不全を起こす可能性があります。
また、体重がどのくらい減ったかは個人差があるため、運動前後に身体重を測って発汗量を確認するのがおすすめです。発汗量を知ることで、おおよその摂取すべき水分量を把握できるため、水分不足や過剰摂取を防げます。
水分摂取量の目安
水分摂取量の目安は、マラソンでたとえると1時間おきに400〜800mlとされています。ただし、運動の強度・気温・体格によって差があるため、参考程度にしてください。
トレーニングにおすすめの飲みもの
キックボクシングのトレーニング中の飲みものには、プロテイン・BCAA・EAA・スポーツドリンクがおすすめです。これらの飲みものは身体の水分を効率的に補給できるため、より高いトレーニング効果が得られます。
プロテイン
手軽にタンパク質を補える飲みものとしてよく知られているのがプロテインです。筋肉に必要なタンパク質のほか、筋組織を修復してくれるアミノ酸が20種すべて含まれています。
BCAA
「BCAA」とは、バリン・ロイシン・イソロイシンと呼ばれる必須アミノ酸の総称で、筋肉の分解を防ぐ効果があります。またリラックス作用のあるセロトニンの分泌を抑えるため、集中力を高めたい場合にも効果的です。
EAA
BCAAよりも筋合成の効果が高く、吸収しやすいのが「EAA」です。9種の必須アミノ酸が含まれており、摂取後約30分で効果を発揮します。ただしその吸収力の高さから、一気に飲むと下痢を引き起こしてしまうことがあるため、こまめに摂取することを心がけましょう。
薄めたスポーツドリンク
キックボクシングによって大量に失われた水分を効率よく補給するのであれば、「スポーツドリンク」がおすすめです。スポーツドリンクは塩分やナトリウム、アミノ酸、ミネラルを含み、体液に近い濃度で作られていることから、素早く水分を吸収することが可能です。一方で糖類も多く含まれているため、水などで薄めて飲むとよいでしょう。
トレーニングに合わない飲みもの
緑茶やコーヒーなどカフェインが多く含まれているもの
カフェインには利尿作用があり、体内の水分をより多く排出してしまいます。そのため、カフェインが多く含まれる緑茶や紅茶、コーヒー、烏龍茶は運動中に摂取するのには適していません。ただし、お茶の中でもノンカフェインの麦茶であれば飲んでもよいでしょう。
糖類を多く含むもの
ジュースや炭酸飲料など、糖分の多い飲みものも避けたほうが無難です。糖分を過剰に摂取すると血糖値が急上昇し、「ペットボトル症候群」という糖尿病のような状態になってしまうことがあります。カロリーも高く、脂肪が蓄積されやすくなるため、トレーニング中は飲まないようにしましょう。
まとめ
トレーニング中の飲みものは成分や効果、量、タイミングに注意して摂取することが大切です。適切な水分補給でパワー全開にキックボクシングを楽しみましょう！
